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京都へフィールド調査へ行ってきました。
ロカポ上田です。
27日はあいにくのお天気でしたが、京都へフィールド調査へ行ってきました。
今回の調査のメインターゲットは、「ジオどす」の検索失敗履歴にのこっていたある住所。
それは「上御霊前通り」と漢字が一文字違う通り名「上御霊横通り」が使われていました。
これは入力ミスか?
とれともそのような名前の通りが別にある?
地元の人はそうとも呼ぶ?
それとも「~前通り」の別名?
調査に行く前にネットで事前調査。「××横通」で検索してみると、沢山検索結果が出てくる。でもよくよく見ると、ほとんど不動産情報のサイトで、その中身を見てみるとマンション数件だけが該当。微妙な数。ミスプリでも不動産情報なら拡散して数百の検索結果にはなる。ここは行ってみないと分からない!
ということで現地へ。
まずは別の通りが存在するかどうか。もっともありそうなのは、名前のない通りを地元の人がそう呼んでいるというパターン。
上御霊前通りは文字通り西から烏丸通りを横切って上御霊神社の前まできて、T字路を南へ右折、道は神社の敷地沿いに90度左カーブし再び東西の通りとなる。神社の西側と南側は「~前通り」に面している。北側は道路に面していない。「~横通り」の可能性が残るのは東側の小さい道路。
その道路沿いのお店で
「すみません、『上御霊横通り』ってこの道路ですか?」
「・・うーん、聞いたことないなあ」
「・・・・・・そうですか・・・」
さらに別のところでは
「知らないなあ・・どこに行きたいの?」
「えーと、○○というマンションなんですが」
「ああ、それならここを曲がって300mくらいの左手にあるよ」
というような感じでした。そのマンションの方が居たら直接お聞きしたかったのですが、残念ながら誰にも合わず。
で、そのマンションは完全に「~前通り」だけに面していることが判明。別の通りがある可能性はこれで消えました。
残るは別名の可能性。・・・といっても地元も人も知らないのに別名って、、アリ??
そこは上御霊馬場(ばんば)町というところ。
郵便番号としては通り名無しの表記が登録されているが、MapFanやNaviTimeなどの一部の地図サイト、さらに花屋さんサイトの配達可能エリアのリストには通り名付きでいくつものバリエーションが載っている。
例えばMapFanではこんな感じ
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊前通寺町西入上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊前通寺町西入上る上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊南門通寺町西入上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊南門通寺町西入上る上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊横通寺町西入上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区上御霊横通寺町西入上る上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区寺町通鞍馬口下る上御霊馬場町
〒602-0891 京都府京都市上京区寺町通鞍馬口下る西入上御霊馬場町
これは通り名による表記というよりは、郵便住所である「上御霊馬場町」のバリエーションと考えた方がよい。京都の郵便住所の「○町○丁目」は、同一区内で飛び地のように複数ある場合があって、どの「同名の町」かを区別するために、「○○通○○上ル××町」というように、通り名を修飾詞にした町名を使うことがある。これは郵政省(現日本郵便)の郵便番号一覧にも通り名付きで載っているものがある。
「上御霊馬場町」の場合は、京都市内にここしか無いので、通り名の修飾詞は不要なのだが、分かりやすいという理由でつけることもあるのだろう。たしかに、上記のどの表現でも「上御霊馬場町」付近を指すことができる。だから通り名だけにどれを使ってもいいのだが、よく見ると
「上御霊前通」
「上御霊横通」
「上御霊南門通」
が混在している。どれも「~前通」の別名と思われます。横通りという別の通りは無かった訳ですし、南門の前を通っているのは「~前通」ですから。
ネットで「~横通」で検索してみると、沢山検索結果が出てくる。
「南門通り」で検索してみると数件だけヒット。「南門通り」の場合も、ほとんど不動産情報のサイトで、その中身を見てみると不動産物件数件だけが該当。
ここからが推測。
たしかに「上御霊前通り」だけでは、こまかい不動産物件の位置は分かりにくい。これは実際に行ってみた感想である。市内中心部と違って、区画内にも家屋が密集していて、通り名表記だけでは近くまで行けてもどの家だか分からない。
これは一昔前のカーナビと同じである。だから、このあたりは「馬場町○○番地」という家屋を特定できる郵便住所の方が使いやすいのでしょう。でもそれだけでは京都の住所としては不親切。
そこで、不動産屋さんが、より不動産物件の場所が見つけやすいように、「横通り」「南門通り」というように記述したのではないか。上御霊前通りそのものは、東西に長く走る通りですが、本当に上御霊神社の近くなので「横通り」「南門前通り」と言った方が具体的に神社の近くである、というイメージが湧きやすいのでは。
不動産情報なら、あちこちの不動産情報サイトに載るので、あっというまにネット上に拡散する。
それをMapFanやNavitimeなどのちょっと気が利く地図サイトでは「町名の表記ゆれ」として取り入れたのでは、、、、と考えている。
「通り名の表記ゆれ」としてジオどすに取り入れるかどうか、判断に迷うところであるが、その通りの住人も知らないくらいだから、とりあえずは表記ゆれをとして扱わないことにしました。
(皆様からのご意見・情報をお待ちしています)
次に近くをフィールド調査する際には、該当マンションの住人や周辺の不動産屋さん、配達を業務が多い花屋やピザ屋などを中心に、もっと聞きこみをしようと思うが、現時点では表記ゆれ説は却下!
ちなみに、もう一つ予想外の成果。四条繁華街の蛸薬師通りの東端は河原町通りと思っていたが、さらに一本東の木屋町まで延びる小さい道路に「蛸薬師通り」の看板を発見!!。早速蛸薬師通りのデータを木屋町通りまで延長しました。
四条と三条の間の木屋町や先斗町の名のない通りを調査しに行ったのですが、残念ながら暗くなってきたので、撤収。
これもまた次回に持ち越しですね。